人々の一生に100の花・1000の花を咲かせる仕事----。
日比谷花壇「花のある暮らし」メインデザイナー石井千花のブログです。
2010年February02日
2010年February12日
今週は久しぶりに大阪出張でした。
大阪に向かう新幹線の中、いつも楽しみなのが雄大な富士山。この日も天気が良くとても大きく真白で、美しい富士山の光景に感動。席が悪く写真は撮れませんでしたが・・・。名古屋を過ぎて、滋賀県に入った頃でしょうか、畑にも家々の屋根にも真っ白く雪が積もっているのを見て、また感激でした。
今回の出張は私自身がとても楽しみました。
河内永和という場所に大きなマンションが建ったのですが、その中にあるモデルルームのコーディネート&実際の施工というお仕事です。テーマは『緑と暮らす部屋』。私自身の家はダークブラウンが基調で、ファブリックも大胆な模様が描かれた少し重めの雰囲気なので、それとはまた違ったホワイト&ベージュを基調とした明るく清々しい空間に仕上げてみようと思いました。インテリアショップ『In The Room』さんのご協力をいただき、イメージにぴったりの家具をご用意頂きました。
そのお部屋がこちら。
リビングダイニングは植物園のテラスでランチをしたり、くつろいでいる様な気分になれるよう、天井からもつる性の植物を垂らし、テーブルの上にもユーモラスなミニ観葉をずらりと並べて・・・。吊るしたアイビーやシュガーバイン、大鉢のベンジャミンが成長すればもっと青々と生き生きした空間になってくると思います。
壁面には多肉植物とファブリックのフレームアートを。
保水の問題があるのでこのフレームアートは全て造花で作りました。けれど、オフィスでこのフレームを制作している間、よっぽど素材を良く知っているスタッフ以外は誰もこれが造花だとは気づきませんでした。それ程に近頃の造花は完成度が高いです。
造花と言えばこれも・・・。
洗面台に小さなミニアクアリウムをあしらいましたが、日の全く当たらない場所なので実際にはごく限られた植物しか育ちません。明るさを求める水草はまず無理です。けれどお部屋の隅々で工夫しながら緑との暮らしを楽しんでいる雰囲気を出したくて、造花のアクアリウムを置きました。この水もカチンカチンに固まっている『マジカルウォーター』という物です。2つの液体を同量混ぜ合わせ流し込んで3、4時間待つと倒れてもひっくり返してもびくともしないほどに固まります。
寝室はリゾートを感じさせる南洋系の『ブラジルヒメヤシ』の葉が涼しげ。シルバーカラーで個性的な『チランジア・キセログラフィカ』はオブジェのように。
すっきりと清潔感のあるミントグリーンのプリザーブドアレンジで優しさをプラスしました。
テラスもかなり作り込む予定が、トラブルでウッドデッキが敷かれておらずこの日は作業ができたかったのでイメージデッサンだけ・・・。
まるで新しいお部屋に引っ越すようなうきうきと楽しいお仕事でした。
我が家の近くには小さな小さな植物園があります。数年前、近所にごみの焼却場ができ、その熱を使って区民のための憩いの場所としてその植物園が建ちました。
中はこのような感じ。小さな小川まであって、夏にはホタルが飛びます。
とても近いのに、去年の夏以来足を運んでいなかったので散歩がてら遊びにいきました。そうしたら、始めて見る植物だったり、よくよく見るととてもきれいな葉の模様を発見したりやはり面白い空間でした。
この不思議な実は『ミッキーマウスツリー』。長い時間眺めてみればミッキーに見えるような見えないような。初めて見た植物です。
さて、これは何でしょう?グロテスクな南国の果物のような・・・。
全体を見ればなんてことのない、よく見る観葉植物です。名前は『ドルステニア』。
これ以上近づけないところまで近づいてアップで写真を撮ると、なんだかどの植物も不思議な表情を持っています。さらっと通りすがりに眺めていたときには気付かない細かい部分をよく見ると実は葉が毛羽立っていたり、羽根のように見えたり・・・。
これなんて、何だと思いますか?タンポポの綿毛?鳥の羽のようにも見えるし、海底のイソギンチャクにも見えてきます。
でも、全体を見ると。やっぱりよく見るサボテンです。
次は?芝生に寝転ぶとこんな風景ですが。
これは近頃人気の『ハルオチア』。こんな風に斑入りの物は初めて見ました。
あまりに美しく、レンズ越しにドアップのまましばらく眺めていたのはポインセチアのような『八重のカランコエ』
写真を撮っているうちに、面白くて面白くてほとんど床に這いつくばるようにして気がつけば2時間以上がたっていました。
出口の近くにあった、多肉植物の素敵な寄せ植えには、
こんなに可愛らしい小さな花が咲いていました。
また面白い植物を発見したら、みなさんにご紹介したいと思います。